クラウド基幹システム「RECORE(リコア)」を提供する株式会社NOVASTO(以下、NOVASTO)は10月1日から持株会社制へ移行する。純粋持株会社である「CommerceXホールディングス株式会社」の傘下に各事業会社を配し、既存事業のオーガニックな成長にとどまらず、ブランド・小売企業のM&Aも積極化する。同日にはNOVASTOも主力製品と同名の株式会社RECOREに社名を変更。アパレル事業者向けの基幹システムサービス提供をさらにドライブさせるという佐藤秀平代表取締役CEOに話を聞いた。

https://commercex.co.jp/
根底に眠る「基幹システム問題」を解消
――10月から持株会社制に移行する。
NOVASTOはリユース事業者向けにクラウド基幹システムのRECOREを提供し成長してきました。並行してグループ会社である、そばに(大阪府吹田市)がECコンサルティングで事業会社を支援。最近ではM&Aでゴルフブランド「PuttOUT」「CROSSPUTT」や、高級レザーブランドの「yuhaku」の運営会社・株式会社ユハク(横浜市)を取得してロールアップ事業に乗り出すなど事業ドメインを広げています。
yuhakuは銀座などに実店舗も持つ会社であり、RECOREのシステムとNOVASTOの店舗グロースの知見も投入した方が成長は早いと考え、持株会社化を軸とした組織改変に至りました。今後も複数のブランド・小売企業のM&Aが控えています。
――RECOREを全ての小売業者を対象に広げる。
多くの小売業者の今の成長に向けた一番の悩みの根っこにあるのは基幹システムです。従来の基幹システムは、顧客のUI/UXに資するつくりではなく、事業者側が管理しやすい形。様々なアプリやサービスの繋ぎあわせで、なんとかトレンドのオムニチャネル施策を実行しているものの、無駄なコストを多く発生し、理想的なシステム構成になっている事業者は多くありません。
yuhakuを買収しシステム刷新を試みた時にも、まざまざとその複雑さを感じさせられました。弊社のサービス群を導入すれば、店舗とECの在庫連携・会員連携・横断会員ランク設定、ポイント付与率変更、店頭在庫EC表示などの、オムニチャネルの世界観の構築が「RECORE+Shopify」の2つだけで済みます。提供先によっては、コストが1/3に削減できた例も。システム構成がシンプルになることでバグが少なく、有事の際の問い合わせ先も一つになるので、ブランド担当者の負担も大幅に減ります。

――yuhakuのシステム刷新は2ヶ月でやり切った。
この経験は大きい。システム刷新すると、現場のスタッフにとっては従来と異なる業務フローやインターフェイスになり、習熟するまでに時間を要し、営業に差し障ります。そこでyuhakuのスタッフが使いやすいよう、AIを使ってオリジナルのフロントを開発。エンジニアが現場に入り、ヒアリングしながら短期間で完遂させました。
RECOREが標榜するのは、オム二チャネル全盛時代に「やりたい事が実現できる、進化し続ける基幹システム」。しかもコストは既存のざっと半分。初期費用もありませんし、豊富に有する機能の一部からでも導入できます。アパレル業界でトレンドのリユース品の買取・管理・販売の機能も標準装備しているのも特徴の一つです。
新しい小売のスタンダードを創出
――ブランドロールアップ事業にも取り組んでいる。
事業会社として小売をしっかり取り組んでいるのは、我々の1番の特徴かもしれません。今後柱事業の一つにしたいと考えていますが、それ以上に自分たちでブランド運営することで、よりリアルな形で事業者支援に役立てるメリットが大きい。チームとしても事業理解のある小売出身者もどんどん迎え入れていますし、よりリアルで専門性が高い支援がスムーズに進められます。
―― 上場も視野に入れている。
株式公開は手段に過ぎません。日本の小売企業のDXを後押しするという大義、『ニューリテール』を生み出す体現者になるには自らを奮い立たせ、もっと強く、大きくなる必要があります。上場はしないと言ってきたので従業員はびっくりするでしょうが、自分がずっと言ってきた未来図に沿ったこと。それを可能にするための手段なのです。

FaW TOKYO(ファッションワールド東京)秋 出展&講演
OMOとデータ統合で変わるブランド体験-yuhakuが挑んだ次世代アパレルの成長戦略
会場:東京ビッグサイト
日時:10/1(水)13:40-14:00
登壇者:(株)RECORE 代表取締役CEO 佐藤秀平 氏
お問い合わせ先
社名:株式会社RECORE
大阪本社:大阪府吹田市豊津町9-22 大同門ビル7F
東京支社:東京都港区港南2-17-1 京王品川ビル2F
URL:https://recore-pos.com/retail/
企画・制作=繊研新聞社業務局