【パリ=松井孝予通信員】楽天フランスは、現地で運営するECサイトを26年末に閉鎖する。4月から売却先を探していたが、事業を長期的に継続できる買収案に至らなかった。AFPが伝えた。楽天フランスはは現地で約180人を雇用している。
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4月上旬、EC事業の譲渡または閉鎖案を従業員代表に提示していた。同社はAFPに対し、「グループは事業売却に向けて努力したが、買収候補との協議では、事業を持続的に継続できる解決策に至らなかった」と説明した。
現地紙などによると、EC企業「ピクスマニア」と外国の投資ファンドから2件の正式な買収案があった。楽天側は、雇用の維持、買収条件とそれに伴うリスク、再建計画による長期的な事業継続性を基準に検討したが、いずれも条件を満たさなかった。CSE(社会経済委員会)も両案に否定的な意見を示した。
従業員には社会計画(PSE)に基づく支援措置を講じる。AFPによると、CSEは支援措置を好意的に受け止めており、今後、当局の承認を受ける。閉鎖に際しては、出店者や購入者が対応できるよう移行期間を設ける。フランスと同じ事業構造を持つスペインのサイトも閉鎖する。
同社は00年に「プライスミニスター」として創業し、楽天グループが10年に買収した。当時は月間1100万人が訪問し、アマゾンを上回るフランス最大のECサイトだったが、その後は米国や中国系プラットフォーム、専門ECとの競争が激化し、収益性が低下した。
楽天グループはECサイトの閉鎖後も、動画配信や電子書籍、広告などを展開し、パリの技術拠点も維持するなど、フランスと欧州で事業を継続する。