猛暑が問題となっている昨今、「軽やかさ」や「快適性」のある素材に更なる注目が集まっている。環境配慮型を含め、トレンドを意識した商品が多く並ぶ中、各社は差別化のための様々な工夫を凝らす。
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素材や独自の加工
シアーをはじめとした軽さと透け感を持ったテキスタイルに注目が集まる中、素材や独自の加工に各社の個性が光る。
ドゥミルサンクは、ウールを編み地や加工で綿ライクに仕上げた商品を開発した。秋冬物のイメージが強いウールだが、体温調節機能で盛夏にも対応する。丸編みのジャージーにフロッキー加工を施したシアーアイテムは、涼し気な風合いが好評だ。
宇仁繊維は猛暑に向け、吸放湿性を持ち、さらりとした着心地のアセテート使いの素材を拡充する。しわ形状を生地に固定する「ミラクルウェーブ」加工も肌離れが良く人気。従来であれば真夏向けの素材だが、長引く残暑などで売れる時期が伸びた。「暑さを乗り切るには必須」とリピーターも多い。
ササキセルムは、暖冬の影響でこれまで秋冬主力だった品揃えから、春夏向けも強化している。尾州の機屋と取り組む自社企画「ホーヴ」で企画した素材は、緯糸に麻、経糸に綿を使い、部分的に糸を減らす空羽織りで透け感を出した。
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