プリモ・ジャパン 中国事業を拡大 2級都市へも出店

2020/04/10 06:28 更新


 ブライダルリング専門店「アイプリモ」「ラザールダイヤモンドブティック」を運営するプリモ・ジャパンは、20年12月期、アイプリモ業態の新規出店を継続する中国事業で2ケタ成長を目指す。新型コロナウイルスの影響で出店数は当初計画から修正を余儀なくされるが、「3店は出し、状況が好転したら、来期分は計画よりプラスして出したい」と澤野直樹社長。香港、台湾や日本では、既存店の改装、移転を軸に各店のパフォーマンスを高める形で増収を図る。

 中国本土での店舗は、上海に4店、杭州と北京に各2店、深圳、蘇州、成都に1店ずつの計11店。18年12月期に黒字化を果たしたことで出店を加速させ、年間5~7店、40%以上の成長を見込む計画だった。新型コロナの影響で、いったんはスピードを緩めるが、成長のドライブであるとの位置付けは変えない。

 当初は1級都市にドミナント展開する形で店舗を増やす考えだったが、前期から2級都市への出店も進めている。「日本から来たオーダー式のブライダルリング専門店というニッチな業態を支持する層は、想定していたより限られる」と見て、同一エリア内での出店数を抑える狙いだ。2級都市であっても、可処分所得が3万5000~5万元ほどあれば、ビジネスとして成り立つとの手応えを得ての判断でもある。このほか、4月中旬以降に、ブランディングの一環として、Tモールへの出店も予定する。

 国内は、来店減少の影響が出るも、ブライダルリングは目的購入で景気に左右されないため、事態が終息すれば、一気に購買が戻ると予測する。主力のアイプリモでは、基本的には改装や移転で既存店の活性化に努める。加えて、ブライダルで購入のあった顧客データを生かし、アニバーサリージュエリーの購買につなげる施策を強化する。既にセールスフォースのマーケティングオートメーションツールを導入してコミュニケーションを開始し、実績が出てきた。

 また、新設したデジタルマーケティング部で各種データを分析。効率的な施策を社内で立案、実行する。ECは、この2年ほど、EC化率の向上よりもオムニチャネルでの効果を重視し、チャットでのウェブ接客、店舗予約、オーダー商品の店舗での受け取り、店舗オーダー商品の自宅配送といったサービスを充実させてきた。

 19年12月期の連結売上高は206億7100万円(前期204億4800万円)で、国内は微減収増益。海外は増収増益だった。中国本土での新規出店、台湾での既存店の好調が増収に寄与。国内では値引き販売の抑制や販促施策の効率化などが増益につながった。

「アイプリモ」のブライダルリング


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