合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)はきょう東京・恵比寿のエビス303で開幕する。会期は24日までの3日間。前回の22年10月展と同規模の80社100ブランドが出展する。今回も新規出展が全体の6割を超え、スタートアップや新興ブランドをはじめ、有力企業や老舗企業のプロジェクト、アーティストや職人との協業企画が目立つ。(カッコ内はブース番号)
アパレル主体の「プラグイン」、サステイナブル(持続可能な)を打ち出している「エディトリアル・サステイナブルプロダクツ」、雑貨小物と新興ブランド主体の「エディトリアル」の三つのゾーンで構成している。
アイテムはアパレル、アクセサリー、バッグ、シューズ、帽子などの服飾系雑貨・小物のほか、インテリア・生活雑貨、コスメ&ビューティー、食雑貨、洗剤などの関連商品から販売支援まで幅広い。注目はアパレルの出展者が増えたことだ。前10月展に比べて約10ポイント伸び、3割近くを占める。若手デザイナーのブランドやリラックスウェアの提案、アーティストや職人との協業企画、老舗工場の自前ブランドなど多彩だ。
リサイクル、環境配慮
全体を通してサステイナブルな提案がさらに強まっている。軸になっているのはエディトリアル・サステイナブルプロダクツゾーンに集積する10ブランドだが、他のゾーンでも多くがサステイナブルを意識し、様々な形で提案している。リサイクルや環境に配慮した素材の使用、リメイクやリデュース、過剰生産の見直し・廃棄ゼロの仕組み、商品構成やサイズ設定などMDの修正、地域や社会貢献につながる協業、異業種とのプロジェクトなど広い。それらの取り組みがウェアからバッグ、アクセサリー、生活雑貨、マネキン什器、洗剤まで、アイテムを超えて広がっている。
「フォレセント」(H-06)は、森林や農作物の被害を減らすために年間約67万頭が駆除されている野生のシカやイノシシなどのジビエレザーを使い、バッグや革小物をアップサイクルしている。機屋と共同でリサイクル繊維糸から開発した再生生地も使い、「ファッションから自然資源が循環できる社会」の実現を目指している。
老舗の工場ブランドも
「ウワサ」(H-04)は今治市の70年続く老舗体操服メーカーが手掛けるカジュアルファッション。丈夫で動きやすい、毎日洗っても形崩れしない、夜洗って朝に乾くなど、体操服素材の特性を生かしてアップサイクルしている。ユニセックスな製品を国内生産している。
「スロス」(H-10)は「ファン・エシカル(倫理的な)」「遊びながらエシカルに取り組む」をテーマに、リサイクルやオーガニック素材で作るTシャツや小物。オリジナルの国産生地を使い、代理店を間に入れず、各工場と直接契約して縫製。製品在庫を持ち、必要な時に必要な枚数だけ1枚からプリントする供給体制を作っている。
「リンク」(H-08)は50年以上の歴史を持つ捺染工場が、世界のアーティストやデザイナーと協業するブランド。職人が1枚ごとに手作業でプリントし、個別店舗やブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)のほか、インバウンド(訪日外国人)、ギフト需要にも対応する。海外市場も目指している。
「ヤハエ」(H-01)は靴下産地である奈良で、創業から100年を超える老舗の靴下メーカーが20年に立ち上げたファクトリーブランドだ。オーガニックコットンや無染色のアルパカ、リネンなど天然繊維を天然染料で染めている。
「ファンプロジェクト」(H-09)は豪メルボルン発のリユーザブルカップや有田焼のコーヒーセラミックフィルターなどを紹介している。機能、デザイン、サステイナビリティーをキーワードに、生活を豊かで心地よいものにしてくれる製品を国内外で探し提案している。
これら以外にも、継続して出展している婦人服の「ダブルフェース・トーキョー」(H-05)、リサイクル傘主体の「プラスリング」(H-07)、環境汚染防止の洗濯剤「海をまもる洗剤」(H-02)がある。