「プラグ」、上越市を拠点に卸先開拓 多様性を切り口に

2024/03/01 06:26 更新


明るいブルーを基調にしたスタイリング提案

 多様性やアウトサイダーアートをキーワードにしたユニセックスなブランド「プラグ」は、地方を拠点に創作活動を続けている。デザイナーの高橋淳は、新潟県上越市在住で、中学卒業後に統合失調症を患い闘病を続けている。自身の闘病経験や、思春期を過ごした90年代~00年代をデザインに取り込み、新たなスタイルの発信に力を入れる。

 高橋は、大学卒業後、09年に今のブランドの前身であるTシャツブランドを立ち上げた。現在はグラフィックやトータルウェアのデザインを自ら手掛け、年2回、東京で展示会を開催する。3月後半の東京での展示会では卸先の開拓を目指す。

 自身の闘病中の経験を生かしたアウトサイダーアートを、ファッションと融合して新たな表現を試みる。「海外のデザイナーブランドでもアウトサイダーアートと協業するなど注目されている。疾患や障害のあるなしにかかわらず、まさに人間の多様性と重なるものであり、私のささやかな取り組みもダイバーシティーの一つとして受け止めてほしい」と高橋。

 また、自らの多感だった時期の、古着ブームを含めた90年代ファッション、ミュージック、ストリートカルチャーなどのリアルな経験がデザインの背景になっている。24年春夏物では、スウェットに90年代に放送されたアニメのタイトルロゴから発想を得たグラフィックをサンプリングしたり、自身が病にかかる前後によく聴いていたミュージシャンのリリックによる言葉遊びを進化させたロゴ入りのパーカを作ったりした。

ディテールに凝ったアウターとの組み合わせ


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