東京都江戸川区でアパレル関連商材の検品・検針・補修・プレスなどを行うパートナー(秋山剛志代表取締役兼CEO=最高経営責任者)が業務を拡大している。このほどインクジェットプリンターを導入し、アパレル製品のプリント事業を開始。「コロナ下だからこそ、待ちの姿勢ではなく攻めに転じる。従業員の雇用を守り、終息後にスタートダッシュを切りたい」考えだ。
同社は98年設立。アパレル商品の流通加工からスタートし、現在は靴やバッグ、雑貨なども含めた総合物流加工を行っている。
工場は1フロア300平方メートルの4階建て。荷受けから洗い加工、プレス仕上げ、検品、検針、裁断・縫製、転写、プリント、グラフィックまで140人体制で対応している。取引先は3000社以上。
もともとTシャツボディーメーカーと取引があったため、プリント事業との親和性は高い。インクジェットプリンターを導入することで、ボディー到着からプリント、ネーム付け、洗い加工や乾燥までの工程を一気通貫で行える。「これまで1週間かかっていたものを2日に短縮し、間接物流コストも抑えられる」という。
プリンターを導入すると同時にイメージ・マジック(東京、山川誠社長)が提供しているアパレルグッズのオンデマンドプリントの仕組み「ODPS」を採用した。「ネットを使った受注システム」「クラウドでの生産管理」「適した装置やプリンター」によって、Tシャツ1枚のプリント加工が、注文からプリントして出荷するまで最短5分で完了するもの。
当面はイメージ・マジックからプリント加工を受注するが、いずれは独自でアパレルメーカーなどと取引し、自社の縫製部門などと組み合わせて複合的な加工を提案していく。作業時間を大幅に短縮できる「たたみ袋詰め機」など機械化も進めており、大量注文にも対応できるようにしている。コロナ禍でTシャツ加工の受注は、イベント需要が落ち込んでいるものの、アニメやユーチューバーのグッズの注文が増えている。また、マスクや防護服の製造・検品を月産1万~4万枚行うなど医療業界を下支えしている。