【パリ=小笠原拓郎】27年春夏パリ・メンズファッションウィークは、日本発のブランドのコレクションが相次いだ。その多さは、パリ・メンズにおける日本ブランドの存在感を明らかにしている。
(写真=コムデギャルソン・オムプリュスは大原広和)
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コムデギャルソン・オムプリュスは鮮やかな色と柄をのせたポジティブなムードのコレクションを見せた。シャツ地のような軽やかなストライプのコートを軸に、共地のドレスを組み合わせてふんわりと優しい造形を作る。きれいな色のパッチワークは迷彩柄を抽象柄のように錯覚させる。タータンチェックのセットアップの中にも迷彩柄のようなパッチワークが混ざり込む。


メキシカーナのトウが大きく反り返ったブーツは15年春夏の「アンチウォー」(反戦)のコレクションにも登場したもの。以来、川久保玲は数々の反戦のメッセージを込めたコレクションを見せてきた。しかし、春夏は戦争や不安定な社会に対する「怒り」とは少し異なるニュアンスを感じる。エメラルド、ピンク、赤、パープル、ブルー、グリーン、イエロー。きれいな色を組み合わせたカラーブロックやメッセージを散りばめたスタイルは未来への希望のようなものを感じさせる。

いつものショーだったら、突然、会場が暗転して幕を閉じる演出なのだが、今回はフィナーレにカラフルなスタイルのモデルたちが駆け足で登場してきた。コムデギャルソンにしては珍しいそんな演出に、会場にはハッピーなムードが漂った。テーマは「もし、戦争が終わったら」。

パリ・メンズにショーデビューしたソウシオオツキは、ジョルジオ・アルマーニへのオマージュともいえるスタイルを貫いている。柔らかな透け感のリネンのスーツは剣先がくるんと丸まった襟がアクセント。ベルトも途中からSの字状に曲がっている。
前シーズンとの違いは春夏らしい軽やかな素材感とノスタルジックでノンシャランなアイテムが増えていること。着丈が長いゆったりとしたシャツをショートパンツとレイヤードするように着る。あるいはシャツと共地のゆったりとしたショートパンツをセットアップのように着る。それは下着と外着の中間のようでどこか懐かしい昭和のおじさんのワンマイルウェアのようでもある。


ただし、そんなレトロなリラックススタイルであっても、決してだらしなくは見えない。それはテーラードスタイルにちゃんとした質感が貫かれているから。この80年代のオマージュのようなスタイルは、全く違うジェネレーションから見た当時のエレガンスへの再評価と受け取ることはできる。ただし、当時をリアルタイムで知る世代から見ると、これがどれくらいの市場性を獲得できるのかが実感しにくい。その可能性をどう広げていけるだろうか。
メゾン・ミハラヤスヒロは、フェイクレイヤードのディテールを軸にした。シャツの襟やカフスのパーツがジャケットにくっついたようなディテール、ブルゾンも同様にシャツの襟とカフスがくっついている。重ねて着ているようで身頃のパーツは重なっていない。そんな偽のレイヤードだ。ヒッコリーやデニムのパッチワーク、部分的に色あせた加工も目立った。

キコ・コスタディノフのコレクションには、どこかSFのコスチュームのような雰囲気が漂う。しかもちょっとレトロで弱々しいSFのイメージだ。部分的なフルイドフォルムを入れた布使い、フロントからショルダーにかけてドレープが入るジャケット。インタックやクリースを部分的に入れて立体的に見せるデザインも多い。シンプルな中にダーツやステッチで少しだけニュアンスを入れて変化を作る。

