【パリ=小笠原拓郎】25~26年秋冬パリ・ファッションウィークは、潤沢な資金を生かしたスペクタクルなショーの一方で、クリエイティブな精神にあふれたこぢんまりとしたショーが光を放っている。ファッションはビジネスではあるものの、見る者に何かを訴えて考えさせるような側面を持つ。メガショーではなくても、そんなクリエイティブなコレクションはパリに不可欠の存在だ。
【関連記事】25~26年秋冬パリ・ファッションウィーク スクエアショルダーと高い襟
この間、服を通して戦争をはじめとした社会への怒りの姿勢を見せてきたコムデギャルソンは、改めて服そのものに焦点を当てた。抽象の中にある完璧なバランスとでもいえばよいだろうか。不定形の造形のフォルムの中にある、研ぎ澄まされた美しさを描いている。なぜか、パオロ・ロベルシがかつて切り取ったコムデギャルソンの一瞬の美しさの残像を、改めて実際の服として見ているかのような感覚を覚える。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!