パリ、年末商戦開始 

2020/12/02 06:26 更新


シャンゼリゼ大通りのライトアップ

 都市封鎖緩和第1段階として11月末、営業が1カ月間禁止されていた商業活動が再開した。ギャラリー・ラファイエット本店には開店前に200メートル、パリ郊外のあるショッピングセンターでは入館まで1時間半の行列ができた。来店者からは、リアルショッピングを喜ぶ声が聞かれた。

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 店舗再開に向けた衛生プロトコル(協定)は、客1人当たり売り場面積8平方メートル、400平方メートル超の店舗は来店者をカウントする人員の配置、衛生面の責任者を決めるなどの項目が盛り込まれた。営業時間は午後9時まで延長可能。パリ市は来年1月3日まで、小売業に歩道・路上駐車場でのショーケース開設の特別許可を与える。

 小売業の年末商戦への期待は大きい。コロナ禍による売り上げ減を比較すると、居住区にあるコメルス通りが前年同期比24%減で、シャンゼリゼは65%減と最も打撃を受けた。緩和を前に、同周辺に大型店舗を構えるプランタン傘下シタディウムとアバクロンビー&フィッチが撤退を発表。シャンゼリゼ委員会のルファーブル会長は仏メディアに対し、ローカル戦略「シャンゼリゼを楽しむ」を打ち出し、世界一美しい通りを地元客増に向けて抜本改革する意向を示した。まずは年末のライトアップで、旅行客の代わりに市民を魅了できるかが試される。

(パリ=松井孝予通信員)



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