原宿の古着店と「リー」が協業

2015/03/02 06:16 更新


 原宿の古着店オーバー・ザ・レインボー(佐野里佳子代表)とジーンズブランド「リー」が協業し、インドネシアで日本の伝統織物「裂織」を活用したCSR(社会貢献)活動を開始する。

 オーバー・ザ・レインボーは古着店を運営しながら、「自分のできることから社会を変えたい」との思いを持つ女性客を集めたコミュニティーを組織している。ワークショップの開催や、メンバーの問題意識から新規事業を立案し、企業との協業などさまざまな取り組みを行っている。参加する女性はすでに8000人を超える。

 リー・ジャパンとの取り組みでは、工場で発生した不良品のジーンズやデニムの残反を活用。生地を裂き、織機を使って再び生地として再生させる青森県十和田の伝統織物、裂織として製品化する。デニムと裂織を組み合わせたクラッチバッグ(参考価格8900円)やリボンアクセサリー(1500円)をすでに商品化している。

 裂織は不用になった衣類などを裂いて生地に再生するため、1点物の生地ができる。「新しい価値を生み出す〝リバース・イノベーション〟の事例になりうる」(佐野代表)とみて、持続可能なビジネスにするため、素人でもやれる仕組みづくりに取り組んでいる。原宿の店舗でワークショップを開いているほか、伊ミラノなど海外でもワークショップを開催している。

 インドネシアでの裂織の事業は今年秋から開始する。リーのインドネシア法人、リー・インドネシアで発生した不良品のジーンズやデニムの残反を使い、日本で裂織にした後、再びインドネシアに生地を持ち込んでワークショップを開く。

 将来的には織機をインドネシアに持ち込み、商品化まですべてインドネシア内で完結することを構想する。「インドネシアではイカットやバティックなど伝統織物を若者が着用しており、裂織を普及できる素地がある」(佐野代表)とみる。



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