オンワードデジタルラボは、日本の物作りを支援するプロジェクト「クラハグ」で、グループ公式通販サイト「オンワード・クローゼット」に出店している生産者と、SNSなどで募集した消費者の交流イベントを初めて開いた。
トークセッションや試着会などを通して活発な意見交換が行われ、生産者の取り組みを後押しした。
クラハグはコロナ下の21年に発足した。産地の物作りを伝えるため、オンワード・クローゼットでファクトリーブランドの販売を支援するほか、オンライン工場見学会や期間限定店も開いてきた。コロナ流行も落ち着き、生産者と消費者のよりフランクなコミュニケーションが必要と考え企画した。
生産側の参加者は、木曽川染絨の「キソナチュラルダイ」、丸萬の「ポルス」、河田フェザーの「ケーダブルディー」。今年からクラハグに参加した河田フェザーは、羽毛専業メーカーとして高品質な羽毛の良さを広めるため、21年にブランドを立ち上げた。「グリーンダウンプロジェクト」を通じ、自社で洗浄加工したリサイクルダウンのベストや赤ちゃん用のケープなどを揃えた。
参加者はアイテムの軽さやデザイン性に驚きながらも、「もう少し丈が短いと汎用性が高まる」など率直な意見も出された。

宝物を残すために今後も続ける
クラハグ・クリエイティブディレクターの梶原加奈子さんの話

日本の生産者が持つ、良い物を作りたいという気持ちは宝物。それを残すためには利益を出すことが重要。しかし、ファクトリーブランドはすぐにもうけが出ることは少なく、不安を抱えながら取り組むところが多い。今回のように消費者から直接フィードバックをもらうことは、続けていく後押しになる。今後もこうしたイベントを開いていきたい。