オンワード樫山、多様な働き方に対応

2015/03/03 06:16 更新


 オンワード樫山は社員の多様な働き方に対応し、働きやすい環境を整えるための仕組み作りに力を入れている。14年にはダイバーシティー推進部を新設、様々な制度の新設に取り組んできた。今年5月には「専門職正社員」制度を導入し、販売職(ファッションスタイリスト=FS)や技術・事務職のさらなるステータスの向上を図る。

他社に先駆け改善

 同社は、今までも他社に先駆けて有期雇用社員の待遇改善に取り組んできた。95年にFSを対象に短時間勤務制度を導入。06年にはデザイナーやパタンナーを中心とする技術職を対象に「役員・部長・課長・係長待遇」制度を新設、役職手当や出張旅費などを総合職と同等の待遇にした。

 FSを対象に07年にブランドリーダー店長制度、12年にはエリアマネージャー制度を導入、卸売りから小売り発想への転換を図るとともに、FSのキャリアアップの環境を整えてきた。12年下期には、全国から12人のFSを選抜し、「販売職改革プロジェクト」を実施。「店舗を経営の一単位とする」意識改革を推進した。

 13年には全社員を対象とした「職場改革プロジェクト」を実施。全社員のうち約8割を女性が占めることから、様々な職種から選んだ10人の女性によるプロジェクトチームを編成し、職場環境の改善に取り組んできた。それを受け、14年にダイバーシティー推進部を新設。業務改革による労働時間短縮や休日取得の促進、育休を3歳4月末までとする育休制度の延長などに取り組んできた。

人材確保にも活用

 今年5月に導入する専門職正社員制度も、そうした人事制度改革の一環だ。専門職の士気を高め、帰属意識を高めるとともに、新卒採用の際のアピールポイントとしても活用。16年4月入社となる社員からは「専門職正社員」での採用とする。

 販売職の確保・育成は、業界でも大きな課題となっている。アパレルや専門店でも地域限定の正社員制度や販売職の正社員への転換制度などを取り入れる流れが強まっており、オンワード樫山の取り組みは、その流れをさらに後押しすることになりそうだ。

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《用語解説》ダイバーシティー



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