ニューヨークのノードストロームメンズ館2階のバーが、4月末までの期間限定で「ポール・スミス」仕様になっている。「ポール・スミス・クラブハウス」と名付け、エリアの奥にあるラウンジスペースがポール・スミス・テイストの色柄でまとめられ、照明もレトロモダンで可愛い。バーの手前はポール・スミスの売り場になっている。
これを記念して3月6日にポール・スミス氏にノードストロームのメンズファッションディレクター、ジーエン・デレオン氏がインタビューするトークイベントが行われた。スミス氏は、堅いイメージのスーツをもっとリラックスして着やすく変えたいと思って肩をソフトにしたり、色を入れたりしたこと、コロナの最中も毎日スーツを着ていたことなどスーツへの愛を語った。また店頭に立つのが大好きだそうで、「時給はよくないけどね」と聴衆を笑わせた。
日本については「80年代と90年代は今より革新的だった。なんでも経験するエネルギーがたくさんあった。今はそれほどでもない。高齢化が進み、あまり革新的でない」と辛口のコメントが出た。
後進へのアドバイスを聞かれると、「誰ももうデザイナーを必要としていない。多過ぎる」と、「なぜ自分を雇うべきなのか、先を見越して考えるように」と話した。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)