ニッケの出前授業「ウールラボ」が好評 繊維や衣服について学ぶ

2022/11/09 10:59 更新


わたの状態の羊毛を指で引っ張って、ねじって糸を紡ぐ体験など参加を促す工夫をした

 「服は何からできている?」「ウールの原料ってわかる?」ニッケの衣料繊維事業本部はこのほど、神戸大学付属中等教育学校で1年生121人を対象に独自の教育支援プログラム「ウールラボ」を開催した。

 ニッケの社員が講師となり、3クラスの生徒に向けて授業を実施。繊維や衣服についての問いかけに対し、正解も不正解も関係なく生徒たちが次から次へと元気に答えていく。わたの状態の羊毛を指で引っ張って、ねじって――を繰り返し、糸を紡いだり、綿、ウール、ポリエステルの特徴を伝えた上で生地を触らせ、どの繊維が使われているかを当てるクイズをしたり、参加を促す工夫を散りばめ、生徒たちの好奇心を刺激した。

 後半はSDGs(持続可能な開発目標)と繊維業界が抱える課題について紹介。「SDGsの〝S〟は何?」という問いには、一斉に「サステイナブル!」と回答。合繊の衣料も関わるマイクロプラスチックという言葉を知っている生徒が多かった。そのほか、講師からは廃棄衣料の問題や途上国で働く縫製ワーカーの労働環境を取り巻く問題なども紹介された。最後には、「大人になって自分のお金で服を買う時に、『これは本当に必要なのか?』『環境に優しい商品か?』『この服を作った人はどんな環境で働いているのか?』ということを一度立ち止まって考えてみてほしいし、買った服は手入れしながら大切に着てほしい」と呼びかけた。

 ウールラボはニッケが全国の中学校、高校を対象にした独自のプログラムで、家庭科の学習指導要領に準拠したもの。学校側から要望があると、同社の社員が講師となり、実験も交えながらウールを中心とした繊維の知識や衣服の扱い方、SDGsの観点で繊維業界の環境課題なども伝えている。19年に始めて以来、累計23校、2628人の学生が受講した。

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