新しい市場開拓が「早く、どれだけできるか」と、6月に就任した七彩の鈴木邦治社長。マネキンを使用する場面を広げる考えだ。「チャンスがある」という化粧品店や飲食店のほか、駅や空港など「人が集まるところ」にも積極的に出ていく。百貨店を主な取引先にしており、その重要性は変わらないが、それだけではマイナスになることが避けられない状況。販路を広げることを収益確保の重点策とする。
そして「これから売っていきたい柱」として、デジタル技術を活用した〝インタラクティブマネキン〟の「IMP」とともに、生分解ボディーを挙げる。植物由来100%での成型を実現しているもので、価格は通常品より2割程度高くなるが、「エコへの取り組みは先々大切になる」として、アピールを強める。
さらに、「10年ぶりに原形からつくり直した」オリジナルのボディー「エヌ・ボディ」を打ち出す。10万円からの価格で細部のこだわりと上質なシルエットを追求したという「エヌ・クオリティ」と、3万円からで使いやすさとコストを打ち出す「エヌ・バリュー」の二つのラインを揃えた。「ストックマン」「スペリオール」など海外のライセンス契約のボディーと併せて販売することになるが、価格帯の異なるオリジナルを一定の在庫も持ち、「販路ごとに分け」ながら広げる考えだ。
七彩はこのほど、東西で〝つなぐ〟をコンセプトにした新作発表展示会「チェンジ・イン・シンキング」を開催した。エヌ・クオリティ、エヌ・バリューのほか、スポーツで什器も含めた売り場提案、コーヒーの紙カップを持つなど何げないしぐさの「スタチュー」の新ポーズなどを紹介した。
