繊維リサイクルの意外な用途で、端材や残反が不足している。破砕した裁断くずを混ぜて使用する繊維強化プラスチック向けで、安定調達先がコロナ禍でストップしたためだ。工作機械の工具収納部品で国内8割シェアを持つ中原化成品工業(大阪市)の中本勝也社長は、「産廃に出しているものがあれば有償で引き取らせてほしい」と繊維業界に呼び掛けている。
同社は熱硬化性プラスチックのフェノール樹脂の基材(チップ)や成型品を製造販売している。「安価なものには木粉、寸法安定性を出すにはガラス繊維が使われるが、コストと強度のバランスに優れるのは繊維」といい、圧縮耐性や耐衝撃性を高める強化材として繊維端材は欠かせない。中でも工作機械に使われる国内トップシェアの工具収納具「ツールポット」の高耐久・長寿命に貢献する重要な材料だ。