中川政七商店、奈良に初の自社倉庫 今後は工芸事業者の物流も請け負う

2024/08/07 06:26 更新


自動採寸計量器でEC出荷商品を処理する

 中川政七商店は、奈良県天理市に初の自社倉庫「NKG倉庫」を建設した。既に稼働しており、コンセプトは「日本の工芸を元気にする」。自社だけでなく、全国の工芸事業者の物流を支える倉庫と位置付ける。総投資額は土地を含めて約24億円。

 同倉庫は郡山インターチェンジから車で3分の立地。3階建て、延べ床面積は8910平方メートル。100%出資子会社のNKG倉庫が運営する。

 中川政七商店は企業規模の拡大とともに物流倉庫の機能を整備してきたが、倉庫費用の高騰もあり、自前で倉庫を持つことにした。取引のある工芸事業者や中小メーカーは自社物流にしているところが多いが、高齢者が担っており、いずれ厳しくなるとして、今後他社の物流も請け負う。

 ヤマト運輸との協業で、物流の2024年問題にも対応する。トラック予約システム、自動採寸計量器を取り入れてヤマト運輸との業務を分担している。ドライバーの待機時間は旧倉庫に比べ50%減らせるという。4カ所に点在していた物流拠点を自社倉庫に集約した。様々なルートを経由していた輸送トラック数を削減することで、二酸化炭素排出量を減らす。

 倉庫の1階は商品や資材などの在庫保管スペース。回転率の高い物は下、入り口近くに置くなど作業効率を重視した。3階を物流の要とする。仕掛かり品の検品や最終製造工程の生産管理作業場、直営店やECへ発送する在庫のストック場、店舗や卸先からの返品加工作業場、EC出荷処理スペースなどがある。

効率良く作業ができるように在庫を保管する1階

 2階には83平方メートルの撮影スタジオを設けた。古家具やキッチンを配置、自社商品の撮影などに活用する。

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事