名古屋の長屋印刷 Tシャツプリント出張サービス開始

2019/05/31 06:25 更新


 カタログ印刷主力の長屋印刷(名古屋市、中川幸子社長)はこのほど、「出張Tシャツプリントサービス」を開始した。スポーツや音楽などのイベント会場にプリンター設備一式を持ち込み、オリジナルTシャツを作ってその場で販売する。「熱量があるイベント会場だからこそ需要がある」(中川剛専務)とする。

 第1弾として、12日に開かれた、名古屋駅前のミッドランドスクエアのオフィス棟を駆け上がってタイムを競う「名古屋バーティカルランニング2019ミッドランドスカイラン」で販売した。白のTシャツに完走者の名前やタイム、イベントスポンサー名をその場でプリントして作成。前売りが3500円、当日販売が5000円で、30~40代の男性を中心に150枚が売れた。プレスも含めて1分で作成できるスピード感も受けた。

 デザインはイベント会社の要望を取り入れる。スポーツや音楽ライブ、アイドルの写メ会など幅広い会場を想定する。例えば、野球では試合結果、ライブではセットリストをプリントすれば、メモリアル感を出せる。スポンサー名を入れれば「スポンサーメリットも向上する」とみる。

 特徴的なのはビジネスモデル。イベント会場で物販する場合、「ブース費用を払って出店、販売するのが一般的」だ。しかし、出張Tシャツプリントサービスでは、場所の提供とは別に機材使用費、人件費、運搬費といった最低限必要な初期費用数万円を、イベント会社が長屋印刷に支払う。

 運営会社はTシャツの販売価格を指定し、売れたら卸価格の差額を粗利益として計上。価格設定にもよるが、一定売れれば初期費用を差し引いても利益が残る。

 実際、ミッドランドスカイランではイベント運営会社、長屋印刷共に黒字だった。Tシャツは長屋印刷が持つので、イベント会社に在庫負担はない。

 現在、インクジェットプリンターは1台のみだが、夏頃にもう1台追加購入する計画だ。大型のプリンターで搬入出が大変なことから、専用台車も製作している。

名古屋で開かれたランニングイベントでは、完走者に150枚を販売した


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