百貨店のミセス売り場は12月に入っても、冬物の動きが鈍かった。元々、ミセス売り場は実需志向が強いこともあって「気温が下がらないとなかなか思うように売れない」と嘆く百貨店が多かった。「あまり寒くない気温が続き、手持ちのコートで間に合わせ、セール待ちに入ってしまったのでは」とみる声も聞かれた。
そんな中でも、商品の価値が伝わりやすいものは売れた。「ポケッタブルで洗える」ようなライトダウンや、薄くて軽いのに温かいコートなど〝高機能〟な商品は反応が良かった。ほかにも、20万円を超えるような素材感にこだわった〝高品質〟なコートや、逆に品質はそこそこでも価格が安い〝コスパ〟の高い商品なども動いた。
分かりやすい商品は売れるが、中間価格帯は厳しい状況が続いている。いかに商品の魅力を伝え、同質化から抜け出せるかが課題になっている。
