服飾雑貨OEM(相手先ブランドによる生産)のモノバトン(東京)は自社の強みを生かしたオリジナルブランドが堅調だ。卸先の店舗や商業施設内での期間限定店を軸にしたファン作りが進んでいる。
(大竹清臣)
同社は4月にケージェイから社名変更し、OEMで新たなマーケット開拓に乗り出すとともに、オリジナルブランドも強化している。24年春夏からスタートした第1弾の「サンポ」は、期間限定店での販売が好調なのに加え、ブランドとの協業も増えている。派手でインパクトのあるイラストが人気だ。
同ブランドはテキスタイルデザイン経験のある若手男性社員による手描きのリアルでカラフルな動植物の水彩画をプリントしたバッグと小物で構成。アイテムの形やサイズに合わせて柄の配置や大きさを変えている。東京本社に併設する自社工房を中心に国内生産が基本となる。
26年春夏物では収集癖をテーマに、好きなフルーツを独り占めしたいキツネザルをはじめ、勲章になった愛犬たち、旅先で集めるステッカーなどを描いた。ツーウェートートバッグ(税抜き9800円)やドローストリングバッグ(8000円)、マイクロポーチ(2300円)などを提案する。
第2弾として25年春夏物から販売を始めた「ジュリシャテ」も好スタートを切った。取り組み先ブランドのショップをはじめ、駅ビルや百貨店での期間限定店が好評だ。同ブランドは自社グループの現地法人が生産管理するバングラデシュ製のジュートを使い、現地で編み立てたかごバッグが中心。26年春夏物では初年度に人気だったハーフバウム型のバッグをポケット付きにアップデートした。大が1万3000円、小が1万2000円。新作ではバングラデシュ北部の町、ボグラの伝統的な手織物(現地では端切れや古布を割いて糸として再利用)を新しい生地で作ったラグトート(1万2000円)を出す。

本社を構える東京・人形町のビル内で21年春に開設した自社工房「人形町BASE」は、定期的に開催している「人形焼」をイメージした本革がま口ポーチを作るワークショップが好評だ。テレビで紹介された効果からワークショップのチケットは毎回数時間で完売し、地元女性を中心に数十人待ちになるほど。完成品も50個がECで即完売した。七福神の恵比寿様、大黒天様に続き、秋にチャームが付けられる弁天様を出した。また、日本製での取り組みを求める海外バッグブランドや有力デザイナーブランドなどからのOEMも増えている。

