三越伊勢丹、パリにザ・ジャパン出店

2016/10/04 06:25 更新


 【パリ=松井孝予通信員】三越伊勢丹が10月1日、「ザ・ジャパン・ストア伊勢丹三越パリ」を、エッフェル塔に近いパリ日本文化会館内1階にオープンした。コンセプトは「本物の日本」。伝統文化を継承する衣食住の30ブランドを揃え、カルチャー感度の高いパリジャンをターゲットに、上質な「和」のある生活を提案していく。

 パリで店舗展開を狙う同社は、その1歩となる重要なマーケティングの場として、トレンド商業ゾーンでの短期的な成功より、日本文化への探究心の高い地元人が足を運ぶ同会館を戦略的に選んだ。

  販売員にはホテルや百貨店で経験のあるフランス人3人を採用。ジャン=ポール・エヴァンやクリスティーヌ・フェルベールと一保堂茶舗の日仏協業による新しい味覚、仏サイズの「Y.&SONS」の火消しコートなど、仏ライフスタイルへ自然に溶け込む和の商品も開発。過去にパリ三越は日本人観光客へ仏ブランド品を販売してきたが、この新ストアで百貨店の海外出店の概念を覆す。

 内装はパリ在住の建築家、田根剛氏が手がけ、「水平」を基調に日本の多様な文化、伝統、美を表現。90平方㍍の縦長の売場は、様々な角度で日本を紹介する期間限定コーナーを中央に、それを食とファッションの常設ゾーンが囲む。開店企画には日常的な「お茶」をテーマに、10人のクリエイターによる「茶箱」展を開催。初日には、お茶をめぐるおもてなしのイベントが開かれ、大勢の来場者らでにぎわった。

写真=10人のクリエイターによる「茶箱」展



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