三井不動産 ファッションECモールを開設

2017/11/01 14:12 更新


 三井不動産はファッションECモール「三井ショッピングパークアンドモール」を1日、グランドオープンした。広域型SC(RSC)「ららぽーと」など同社グループが運営する商業施設と連動し、「実店舗とECでの買い物の双方の良さを同時に享受できる」ことを目指したモール。商業施設運営で培ったテナントネットワークやハウスカード「三井ショッピングパークポイント(MSP)カード」会員約1000万人の顧客基盤を生かし成長市場に挑む。テナントとの在庫データ連携による店舗での欠品対策やECから実店舗への送客支援、実店舗の販売スタッフのモチベーション向上策にも取り組む。

 ECモールには約70社・約200店・3000ブランドが出店した。1年後には約400店に広げる。10年後を目安に取り扱い高1000億円を目指す。

 RSC、都市型商業施設、アウトレットモール「三井アウトレットパーク」(MOP)など幅広い業態を運営する同社の「強み」を生かし、ファッションを軸に、スポーツ、コスメ、雑貨、インテリアなどを揃えた「高感度型モール」とした。RSCに出店するブランドを中心にしながら、都市型商業施設に入る「ユナイテッドアローズ」などや百貨店ブランド、MOPに入るブランドのレギュラー店などを揃えた。インフルエンサーによるコーディネート提案、ウェブマガジンの元代表による最新ファッション情報の特集ページも設けた。大型キャンペーン時期にはモール限定商品も販売する。

 広島市のアルパークを除くRSC全15施設のウェブサイトとECサイトをリンクさせ、システム連携した。連携するのは当面はRSCだけだが、今後は「ララガーデン」など生活商圏型SCのLSP(ライフスタイルパーク)や都市型商業施設にも広げる。

 大手ICT(情報通信技術)企業と新しい仕組みも作った。実店舗で品切れした場合、他店や倉庫の在庫を販売スタッフがタブレット端末で確認し、在庫があれば客がその場で購入し、後日宅配する態勢を整えた。当面は100店で始める。また、ECサイト上で客が気になった商品の店頭在庫を確認できるようにし、ECから実店舗への送客につなげる。在庫は各テナントの物流センターや店舗の倉庫で管理・データ共有し、注文客に直接出荷する。在庫データは30分単位で更新できる仕組みを今後整える。店舗在庫から出荷するのは当面60店で順次増やす。

 販売スタッフのモチベーション向上策として、店頭のタブレット端末を通じてECで販売した商品の売り上げを店舗に計上する。また、サイトに販売スタッフによるコーディネート提案のページを設け、店舗への送客につなげると同時に、どのスタッフが何を提案し、販売につなげたかをデータで記録し、そのスタッフを評価する仕組みも作った。

 実店舗とECが連携した販促を積極化、両方でMSPカードのポイントが利用できるようにし、相乗効果を発揮する。



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