経済産業省と環境省は25日、プラスチック製買い物袋(レジ袋)有料義務化を検討する4回目の合同有識者会議を開き、来年7月1日からの施行に向けたガイドラインを示した。有料義務化は27日に「容器包装リサイクル法」(容リ法)の一部を省令改正し、正式に決まる。
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ガイドラインは海洋ゴミ問題や地球温暖化対策などのため、有料義務化によってレジ袋を削減する背景と目的を記載した上で、義務化の対象となる事業者と袋、その例外、判断する目安、有料化した場合の価格設定のあり方などを示した。
対象事業者は「販売行為を事業として行う」小売業。飲食店も商品の容器包装を伴うものであれば対象となる。単発的なフリーマーケットへの出品は「事業としての反復継続性が認められない場合は対象外」とした。
対象袋は「あらゆるプラスチック製買い物袋について有料化するのが基本」とした上で、「消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買い物袋」と定義。ただし、フィルムの厚さが50ミクロン以上や海洋生分解性プラスチックの配合率が100%、バイオマス素材の配合率が25%以上のものは「一定の環境性能が認められる」ことから、対象外とした。海洋生分解性プラスチックとバイオマス素材の配合率は第三者による認定または認証されたことを示す表示が必要だ。
対象袋の「具体的な判断の目安」の一つは「商品を入れるか否か」。対象外の具体例として景品・賞品、試供品、切符、郵便切手などを入れる袋やクリーニング袋を挙げた。また、食品売り場で生鮮食品を入れる袋や衣料品などを保護するために包む袋は「持ち手がない」場合、対象外となる。
有料化の際の袋の価格設定については、事業者の判断に委ねる。ただし、商品の価格と一体で設定したり、1枚当たりの価格が1円未満の場合などは「有料化に当たらない」とした。
現行の容リ法では使用した容器包装の量や容器包装廃棄物の排出抑制のための取り組みを国に報告することを義務付けている。改正後はプラスチック製買い物袋の排出抑制の取り組みの報告義務を追加する。
会議ではほぼ全委員が政府案に賛同したが、「例外が多く、事業者、消費者ともに混乱を招く」との指摘もあった。両省は来年1月以降、事業者向けの相談窓口の設置や説明会、消費者向けの広報活動などで新制度の周知徹底を図る。
日本ショッピングセンター協会も会員企業向けの説明会を予定している。