経産省 百貨店研究会が初会議 働き方改革対応など議論

2021/03/04 06:27 更新


 経済産業省は3月2日、百貨店について討議する「百貨店研究会」(座長=伊藤元重学習院大学教授)の第1回会議を開いた。「論点」として、立地や戦略に応じた百貨店の今後のビジネスモデルのあり方、営業時間・休日や店舗以外を含めたサプライチェーン全体の働き方改革、人手不足の中でのオペレーションの改善、廃棄ロスの削減策、データの共有・活用やデジタル化への対応などを挙げた。共同物流・在庫管理などの「協調領域」についても議論する。7月までに5回会議を開いた後、報告書をまとめる予定。

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 第1回会議では経産省が百貨店の課題について問題提起した後、委員の村田善郎日本百貨店協会会長(高島屋社長)が業界の新規事業やデジタル活用などの取り組み、上山健二日本アパレル・ファッション産業協会理事長(ワールド代表取締役会長)が会員企業への百貨店の営業時間・休日についてのアンケート調査結果をもとにした人材確保と労働環境改善策など、黒川光晴虎屋社長が販売現場でのデータ活用の問題点と百貨店との連携のあり方などについて、報告した。村田氏からは「東京五輪・パラリンピック開催決定後、インバウンド(訪日外国人)需要が百貨店で増加したことが構造改革の遅れにつながった」との発言もあった。

 研究会は「コロナ禍で百貨店の売り上げがさらに減少し、働き方改革への対応や廃棄ロスなど社会的な課題が増えるなか、国が議論の場を設けることで個社だけではできない問題解決につなげる」(伊藤政道商務・サービスグループ消費・流通政策課長)目的で立ち上げた。委員は伊藤座長、村田氏、上山氏、黒川氏のほか、西川八一行西川社長、藤﨑三郎助藤崎社長など10人で構成。4月上旬開催予定の2回目の会議までに、百貨店に関するウェブでの消費者調査も行い、今後の議論に生かす。



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