《めてみみ》夏のセールのあり方

2026/07/08 06:24 更新NEW!


 「夏のクリアランスセールは売り上げがコロナ禍前に比べて半減した」と、ある地方百貨店の経営者が嘆く。セール品は売れず、鮮度のある正価品が売れる傾向が続き、MDの見直しが迫られる。百貨店の今夏セールは6月26日からスタートした店が多かったが、一部は前年と同様に7月中旬から開始する。

 セール時期を遅らせたのは、本来の実需期に正価販売の機会を確保し、適時、適品、適価の品揃えで販売機会ロスを防ぐ狙いだ。もっとも開始時期だけでなく、夏セールの在り方が問われている。夏物商戦が長期化し、正価で売れるにもかかわらず例年通りの時期にセールを実施する慣行がある。

 取引先は商品原価と人件費が上昇して利益率が悪化しており、「正価販売の時期をしっかり確保して利益率を上げたい」という意向が強い。長く暑い夏のため、処分の時期を変えざるをえなくなった。初夏、盛夏、晩夏といったシーズンMDでセール依存が薄れていく流れが定着した。

 全館セールのメリットはこれまで集客力にあったが、「集客のためでなく、カスタマープログラムのインセンティブの一つとなる」とセール期であっても不特定多数でなく個々の顧客に販売する仕組みを整える動きもある。川上から川下まで適正な利益を確保し、顧客が欲しい正価品を揃えて衣料品改革につなげる必要がある。



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