《めてみみ》日本よりも暑い場所

2025/08/27 06:24 更新NEW!


 中国・武漢近郊、黄石市に工場を持つ企業の人と酷暑の話題になった。日本も記録的な暑さだが、中国はその比では無い。昔から武漢は、重慶、南京と並び「中国三大火炉」と呼ばれた場所だ。今夏には、現地のネットユーザーが50℃に迫る温度計の画像を投稿し、話題となった。

 コロナ禍前に記者が武漢を訪れたのも真夏の盛り。かつて見かけた上半身裸の男性も発展につれその姿を見かけなくなっていたが、武漢ではまだまだ健在だったと記憶する。この暑さでは〝自衛手段〟としてやむを得まいと心底感じた。

 黄石市は、80年代から岐阜の中小アパレルメーカーが合弁縫製工場を相次ぎ設立した街としても知られる。大手企業の多くが沿岸中心に進出するなか、内陸部に進出したパイオニア精神は特筆すべきものだった。その後、沿岸部が人件費上昇に苦しむなかで、黄石に進出した企業は比較的優位を維持してきた。

 とはいえ長い目で見れば中国の人件費は内陸部でも上がる。ポストチャイナの東南アジアも同様だ。次はインド、バングラデシュ、一部には中東やアフリカも挙がる。これまで生産国を決める判断材料は政治や宗教、インフラ、人件費などだったが、ここにきて気候という要素が浮上してきた。国や場所によって、従業員が出勤できないような〝超酷暑〟が現実味を帯びてきている。



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