従来通りのやり方をしていて、自分がひどく時代に取り残されていると感じることがある。コンビニで小銭を出す時や、今パソコンに向かいこの原稿を書いているのもその一例だ。ワープロ時代と比べて便利にはなったが、〝書く〟という作業自体をそれほど変えることはできていない。
楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は1月末のカンファレンスで、「楽天市場」の出店者に「ノーAI(人工知能)、ノーフューチャー。すぐに慣れます。使いこなしましょう」と呼び掛けた。楽天グループはAIの積極活用でオペレーション効率とマーケティング効率、クライアント効率をそれぞれ20%高める目標という。
繊研新聞社がファッション企業を対象に実施した「ECデータと運営」がテーマのアンケートでは、半数以上の企業がAI・生成AIを活用していると答えた。特に「ささげ(撮影・採寸・原稿作成)用テキスト・画像」での活用が目立った。前回調査と比べて急速に活用が進んでいる。
ある繊維商社の社長は、文書や資料の作成では生成AIをフル活用する。効率が一気に高まり、もう手放せないと話していた。
仕事の効率化が求められる中、ツールを有効に使いこなせないと後れをとりかねない。三木谷氏が指摘するように、慣れの問題だとしたら、使い方には注意しながらもAIを活用しない手はなさそうだ。