楽天ファッション・ウィーク東京25年春夏が終わり、話題はニューヨークへと移ったが、都内では散発的にショーが続いている。気になったのは、ブランド創設20年あるいは30年という節目のイベントが目立つことだ。
「ヨシオクボ」は、20周年の節目のショーを吉本新喜劇とともに見せた。関西出身の久保嘉男らしいユーモアに富んだ演出で、普段とは異なる温かな気分だ。一方、30周年を祝ったのは「ラッド・ミュージシャン」のショー。ロックバンドの生演奏とともに新作を見せた。「ケイタマルヤマ」も30周年。1年かけて展開する「丸山百景」プロジェクトの集大成となるイベント「ケイタマルヤマ遊覧会」を、明日から都内で開く。
ブランドだけでなくロンドン・ファッションウィークも実は今年が40周年。ストリートカルチャーとリンクしながら、数々の若手デザイナーを生み出してきた。80年代後半から90年代にかけてはジョン・ガリアーノ、アレキサンダー・マックイーン、フセイン・チャラヤンなどの独創性をもったデザイナーを輩出した。
もちろん長く続くことだけが価値ではない。しかし、社会からの要請に応える何かを持ち続けていなければ、長く続けることはできない。東京ファッションデザイナー協議会が第1回コレクションを開いてから来年で40年。節目に何が見られるだろうか。