異なる機能をもつSCの〝ハイブリッド化〟が今後、ますます広がりそうだ。郊外型SCとアウトレット業態を合わせたららぽーと門真・三井アウトレットパーク(MOP)大阪門真が計画を上回る売り上げで推移している。客層や商圏、購買頻度が異なる業態の組み合わせが「想定以上」の相乗効果を生んでいるためだ。
SCのコンテンツは、格段に多様になった。古着やオフプライスなどの二次流通、アニメやゲームキャラクターショップといった物販店に加え、クリニックやフィットネスジム、塾といったサービス業種の集積度も高まる。公園や陸上トラックなどのスポーツ施設を含め、買い物以外の機能を重視する施設も多い。
プロパー施設とアウトレットの融合も、コンテンツ多様化の一例。新コンテンツを導入したSC全てが好成績なわけではないが、少なくとも客層は広がっているのではないか。人口減少が進むなか、客単価やLTV(顧客生涯価値)の向上とともに広い客層も重要だ。
ある郊外型SCでカスタム中古車専門店が好調と聞く。新規客獲得を見込んで出店した車や戸建て・注文住宅のショールームが売り上げを伸ばすSCもある。来館客の関心事は、実は幅広い。何を組み合わせるのが有効なのか。SCに限らず、地域特性を踏まえた大型施設・店舗のさらなる変容が見込まれる。