《めてみみ》NFTとファッション

2022/12/05 06:24 更新


 「NFT(非代替性トークン)関連のアートイベントに来る人たちは資産家やアニメ好きのオタク系がほとんどで、全くおしゃれじゃないし、カルチャーを感じない」。そう話すのは、NFT関連の事業を手掛けるラム(東京)の二村康太CEO(最高経営責任者)。

 同社は今秋、東京・浅草近くの路面立地にオープンしたセレクトショップ「トキズ」(土岐洋太代表)と協業イベントを開くなど、二村CEOには「NFTビジネスと日本のファッションカルチャーの橋渡し役になりたい」思いがあった。海外ではラグジュアリーブランドが活用している事例も出てきたが、まだまだ未成熟な状態だ。

 今の大学生をはじめZ世代は、レトロ好きで90年代のポップスターがレジェンド化しているという。音楽はもちろん、ファッションも古着ブームがあり、90年代~00年代の流行が若い世代に再注目されている。それでも昔に比べてファッションの影響力は圧倒的に小さくなってしまった。

 Z世代の趣味嗜好(しこう)は細分化・多様化しているため、レジェンドブランドのアーカイブを掘り起こし、デジタル技術を駆使した新たなアプローチができれば、ファッションの裾野を広げられるかもしれない。そのためにも業界関係者はNFTを含め、もっとデジタルの世界に強くならなければいけないだろう。



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