「Go Toトラベル」事業の目玉の一つとして、10月から「地域共通クーポン」の配布が始まった。事業に登録した旅行商品代金のうち、15%分をクーポンとして配布するものだ。クーポンは宿泊地や目的地、隣接する都道府県内で使える。
しかし、ネット予約を中心とする大手旅行会社が宿泊補助分に関し、割引金額に上限を設けたり、利用回数を制限するというニュースが流れた。各企業が持つ枠がいっぱいになったという。寝耳に水の人も多かったようだが、地域共通クーポンに関しては今のところ変更が無いようだ。
つい先日、ある地方都市でクーポンを使う機会があった。最初に、県が積極的にPRしている大きな観光物産館に向かった。当然使えると思いきや、販売員さんは「実はまだ登録ができていないんですよ」。優しい人で、お渡しはできませんがと言いながら近隣でクーポンが使える店舗の一覧表を見せてくれた。
驚いたのが、一覧表には多店舗展開しているドラッグストア(DS)の名前がずらりと並んでいたこと。コロナ禍にあっても、DSは比較的堅調に推移している業種のはず。様々な理由があるのだろうが、何か釈然としなかった。大きな税金を投じたせっかくの需要喚起策である。地方の中小零細企業へも、何とか恩恵が行きわたるよう願う。