《めてみみ》今、ディベロッパーに求められること

2020/04/02 06:24 更新


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で商業施設の集客と売り上げが大きく落ち込むなか、テナント賃料を減額するSCディベロッパーが相次いでいる。ルミネは売上高が賃料対象額の半分に満たないテナントを対象に、3月分の最低保証賃料(固定賃料)を半額にする。JR九州駅ビルホールディングスはアミュプラザ5施設などで、4月と5月の固定賃料を下げることを決めた。

 ECの浸透で、リアルな場としての商業施設の価値が求められ、多くのSCが様々な集客イベントを強化してきた。そもそも、テナントを後押しするため、館全体の集客を上げるのはディベロッパーの大きな役割だ。しかし、今はこれができない。

 3月以降、感染拡大防止のため、多くのSCが営業時間を短縮、先週末は首都圏の大半の施設が臨時休業した。もはや、通常の営業ができる状況ではない。

 多くのテナントが売り上げ減に苦しみ、今後の資金繰りを懸念する企業も少なくない。通常の営業ができない以上、売り上げの増減にかかわらず、一定額を支払わなければならない固定賃料を減らすのはディベロッパーとして当然の判断だ。

 日本のSCの発展を支えてきたのはディベロッパーとテナントが一体となった運営だ。これを持続するためにも、ディベロッパーはテナントを支援していかなければならない。



この記事に関連する記事