今月行われた20~21年秋冬欧州メンズコレクションや20年春夏オートクチュールで、話題となったのはやっぱりサステイナブル(持続可能な)という言葉だ。とりわけ、この分野で先頭を走るロンドンではそんな提案が目立った。持続可能な素材の調達や素材のリサイクル、多様性、職人のサポートと伝統的な織物工場への継続した発注など、様々な手法を取り入れている。
ミラノでは「エンポリオ・アルマーニ」がリサイクル素材やオーガニック素材を生かした服とアクセサリーのカプセルコレクションを見せた。フィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモ展でもリサイクルダウンやリサイクルナイロンを使ったり、生分解性のあるナイロンを活用するブランドが目立った。
サステイナブルはオートクチュールのような高級注文服にも及んでいる。春夏は「RVDKロナルド・ヴァン・デル・ケンプ」や「ユイマ・ナカザト」がアップサイクルや新素材開発で環境に優しい未来のクチュールをアピールした。
今はデザインではなく、素材が脚光を浴びる時代なのかもしれない。とりわけ、サステイナブルな素材開発における新しい技術が、新しい価値観を支えている。ファッションはあらゆるものをやり尽くして、フォルムやカットで新しさを出しづらい時代なのであろうか。