《めてみみ》気質を生かす

2020/01/30 06:24 更新


 海外駐在員に聞くと、「男性は働かないが女性は勤勉」「非常にプライドが高いので指示の出し方に気を使う」など、国により人々の気質に差があるという。それを理解して運営するか否かで結果が大きく違うそうだ。

 東レは創業の地・滋賀県に未来創造研究センターを開設した。短期的な成果よりも「超継続をキーワードに次の100年を見据え、材料研究をさらに一段深化・飛躍させる」狙い。気候変動や水不足、資源の枯渇など地球規模の課題を解決する研究・技術開発を強める。

 同社は世界で現地ニーズに合った商品を開発するが基礎研究・先端開発は日本で行う。なぜか。「日本人の粘り強く、我慢強い気質が、基礎研究からイノベーションを生む原動力。東レの研究・技術開発の強みは、基礎研究を重視する風土と、時流に迎合せず粘り強く技術の極限を追求するDNAにある」と阿部晃一副社長。

 ある経営者は日本のファッション業界について「最近のAI(人工知能)の流行はひどい。AIを導入したからと言って売れるわけではない。ECも同じ。皆がこっち、というとすぐ流される。自分たちのオリジンは何か、絶対に負けないものは何か、もっと考えて行動しないと何も残らない」と話す。日本人の気質には良い面も悪い面もある。生かすも殺すも経営者次第、自分次第だ。



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