《めてみみ》寒波への対応

2019/11/05 06:24 更新


まもなく平地でも紅葉に

 標高の高い山の上では木々の葉が赤や黄色に染まり、紅葉も少しずつ山のふもとに降りてきている。下旬から来月初旬にかけて、平地でも見ごろを迎えそうだ。店頭ではコート商戦が本格化し、冬を感じさせる季節になった。

 婦人コートは、かつてのような「ウーロン茶」(茶系のウールロングコート)や「ウーロンハイ」(グレー系)といったメガトレンドはなく、傾向が分散し、奥行きも浅い。引き付けて発注しようにも融通の利く縫製工場は減り、リードタイムは長くなっている。単価の張るアイテムだけに、企画する側も仕入れる側も慎重にならざるを得ない。昨年は暖冬で防寒衣料を中心に動きが鈍く、在庫を多く残した。今冬は慎重な姿勢がさらに強まっている。

 とはいえ、丈の変化やウールの浮上、エレガントへの回帰など、昨年とは違う傾向も出てきている。メガトレンドにはならなくても、いくつかの芽を合わせればボリュームになる。作る側が慎重なだけに、リスクを負わなければ十分な商品量を確保できない。

 平年を上回る気温の続いた10月。長期予報によれば、この先も平年並みか、それ以上の気温となる確率が高いようだ。ただし、暖冬ではあっても、ひと冬の間に何回かの寒波は訪れる。そのチャンスにどう備えるか。適品を適量を揃えられる対応力が問われている。



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