ルミネ池袋は自社カード会員拡大策として、昨年から店舗スタッフを対象にした「ルミネカードマスター」制度を始めた。カード会員獲得件数が多かったスタッフにカードマスターのピンバッジなどを提供。カードマスターは全館研修で、カード会員獲得策の講師を務める。
商業施設にとって自社カード会員を中心とした顧客拡大策は重要なテーマだ。多くの商業施設はカード会員獲得のメリットなどを運営側から店舗スタッフに研修などを通じて伝え、会員拡大を図っている。
とはいえ、「施設スタッフの話だけでは、店舗スタッフにその重要性があまり響かなかった」(植原修一常務ルミネ池袋店長)。そこで「店舗スタッフのモチベーションを高めると同時に、より実践的な研修にする必要がある」と考え、この制度を導入した。
効果は大きく、昨年度の施設全体のカード会員獲得数は目標を達成した。「やはり、同じ店舗スタッフの経験に基づく話は他のスタッフにも実感として伝わる」という。
昨年から店舗スタッフが講師として、自身の専門分野の知識を他店スタッフに伝える勉強会も始めた。「スタッフの接客の幅を広がり、店舗間のつながりも生まれてきた」という。施設側からの一方通行ではなく、店舗スタッフも巻き込んだ一体的な取り組みが商業施設の運営でますます重要だ。