《めてみみ》消えたアイコン

2019/01/16 06:24 更新


 中国の変化は本当に速い。キャッシュレスは生活の中に深く入り込んでいる。スマートフォン一つで、様々なサービスが受けられる。支付宝(アリペイ)のトップページを開くと、送金、航空機・鉄道、映画のチケット予約、自動車配車サービスなど様々なアイコンが目に飛び込んでくる。

 数カ月前までトップページにあったのに、無くなったアイコンもある。その一つがシェア自転車だ。約2年前に本格的なサービスが始まり、あっという間に全国に広がった。大量の投資資金が流れ込み、上海市内も多くのシェア自転車があふれていた。

 昨秋ごろから大手の一角、ofoの経営状態が良くないと言われ始めた。その少し前に大手のもう1社であるモバイクがネット大手の傘下になったのは、大きなニュースとして報じられた。

 安値競争や、経営の原資の一部となっていた保証金の返却などが加わったほか、上海市などでは放置自転車が増えたため台数や走行できる道路の制限などに乗り出した。整備などのインフラが追い付かず、故障自転車の増加や使い勝手の悪化で、記者の周りでもシェア自転車を使う人が徐々に減っている。異常とも思える投資資金の流入による急速な発展ではなく、社会の仕組みとの融合が健全にできていれば新たな社会インフラとして定着したのではと思えてならない。



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