《めてみみ》新たな時代を寿(ことほ)ぐ

2019/01/01 00:00 更新


 新しい年が始まった。繊研新聞では本日付の新年号で、平成30年間のファッションビジネス(FB)の変化やエポックを捉え、商品やその担い手の移り変わりをまとめた。そして、この中から今後のFBが向かうべき道を探った。

 ファッションは時々の文化や風俗を映し出す鏡。一方で、FBは政治や社会、経済の動向にも大きく影響を受け、揺れ動いてきた。平成初めのバブル崩壊後、日本経済は厳しい苦境の中を進んできた。この30年の間で衣料品の国内消費額は3分の2ほどに縮小した。だが厳しいのはFBだけではない。米やたばこの消費量は半減、自動車販売台数も40%近く減った。供給点数だけを見れば、衣料品は約2倍に増えている。供給過剰による在庫問題はあるが、一路後退を続けているわけではない。

 この30年間は技術革新も大きく進んだ。「ウィンドウズ95」やスマートフォンの登場で情報機器が社会インフラの重要な基盤となり、ファッション消費も含め、あらゆる産業のあり方を大きく変えた。

 新しい元号が始まる年。翌年に東京オリンピックを控え、25年の大阪万博も決まった。ワクワクするではないか。人々にときめきや輝きを提供するのがファッション。新しい年、新しい時代の始まりを祝い、ビジネスモデルに磨きをかけ、FBの輝く未来を切り開こう。



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