《めてみみ》覚悟

2017/08/01 04:00 更新


写真はイメージです

 新光三越(台湾)は中国・重慶に国内最大級の大型商業施設「新光天地重慶店」を9日開業する。延べ床面積35万平方メートル、売り場面積25万平方メートルで、地下1階~地上8階に百貨店、食品スーパーが入る。全館で700ブランドを揃え、アイススケートリンク、シネコン、レストランなどが充実する。

 驚かされるのは、巨大さだけでなく、新光三越の中国戦略だ。新光三越は07年4月、中国小売り大手の北京華聯集団控股と合弁で北京に新光天地を開業した。しかし、間もなくパートナーと経営をめぐる紛争が発生し、12年9月に中国事業から撤退していた。その後、新光三越が独資で新光〈中国〉百貨を設立し、15年6月に新光天地蘇州店を開業した。

 一度は撤退しながら、再進出した新光三越オーナーの情熱と執念、経営判断の素早さに感心する。中国本土での人的ネットワークをはじめ、ディベロッパーとして巨大施設を開発するリーシング力と運営力は学ぶべきことが多い。

 日系百貨店は中国市場で苦戦が続く。規模で劣るだけでなく、賃料、人件費の高騰で黒字化するのがやっと、という従来の事業モデルは見直さざるをえない。不動産事業への参画による複合商業施設の開発などビジネスモデルの再構築はもちろんだが、何よりも日本人赴任者には中国で骨をうずめる覚悟が求められる。



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