リメイク主力のカジュアルブランドを運営するマスターキー(大阪府岸和田市)は、自社工場を生かした物作りに力を入れている。リメイク用の古着は仕入れや仕分け段階など事前準備を徹底することで、パッチワークも「一点物的なクラフト感を残しつつ、個体差がばらつかないよう品質の高さを追求」(石橋智弘代表)している。
25年春夏物では、リメイク用のバンダナを2000枚仕入れた。色分けし、パッチワークの配置を決めてジャケットやパンツなどをデザインすることで、商品イメージや品質を安定させる。パッチワークなど手間のかかる縫製も自社工場だから柔軟に対応でき、材料もバランスよく消化できる。また、自社工場の閑散期を利用して卸先の店舗でカスタムオーダーのイベントを開催する。パンツ3万~5万円。
欧州古着のミリタリーインナーを使ったTシャツは、貼り付ける昔のワッペンをカテゴリー別に仕分けして共通のイメージで配置することで、個体差を最小限にできる。また、70年代の刺繍柄の入った枕カバーやシーツを使ったオーバーシャツも、柄のイメージを統一することで一点物でも均一性が出せる。
新品の生地も二次加工したり、異素材と切り替えたりすることでオリジナル性を高める。綿のストライプ生地とジャージーを切り替えたシャツやデニムにニードルパンチでネップ感を出したジャケットなども提案する。