独リモワ 仏LVMHの傘下に

2016/10/05 17:44 更新


 【パリ=松井孝予通信員】仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループは、家族経営の独スーツケースメーカー「リモワ」の株式の80%を6億4000万 ユーロ で取得すると発表した。同グループにとって独企業買収は初めて。取引は17年1月までに終了の予定。リモワ社長のディーター・モルシェック氏が現職にとどまり、LVMH会長兼CEO(最高経営責任者)のベルナール・アルノー氏の次男アレクサンドル・アルノー氏が共同社長に就任する。

 リモワは1898年、パウル・モルシェックがケルンで革製スーツケースメーカーとして創業。その息子、リヒャルトが1937年に航空機の素材に使われていたジュラルミンでリブ構造を開発し、耐久性があり、軽量なスーツケースを発売。3代目にあたるディーターは、76年に初の防水性ジュラルミンスーツケース、00年にポリカーボネート製スーツケースを発表した。世界65カ国に販売網を広げ、16年の売上高は4億 ユーロ 超の見込み。

 モルシェック社長は、「LVMHがリモワの現在の開発を推進してくれると信じている」と期待を示した。一方、アルノー会長兼CEOは、「イノベーションと欧州の伝統を引き継ぐ高品質の製品提供への情熱をモルシェック氏と分かち合っていきたい」と表明した。



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