【パリ=松井孝予通信員】LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは9月26日、モンクレールの会長兼CEO(最高経営責任者)で筆頭株主のレモ・ルッフィーニ氏の持株会社ルッフィーニ・パルテチパツィオーニ・ホールディングとの戦略的パートナーシップを結び、同ホールディングが保有する投資会社ダブルRの株式10%を取得したと発表した。ダブルRはモンクレールの株式の15.8%を直接保有している。
この両者の提携条件に基づき、ダブルRは今後18カ月間でモンクレールの株式を追加購入し、持分を最大18.5%まで引き上げる。この株式購入資金は、LVMHがダブルRの株式保有率を最大22%まで引き上げることで補う。またLVMHはダブルRの取締役会に2名、モンクレールの取締役会に1名を任命する権利を得る。
このパートナーシップにより、LVMHがルッフィーニ氏の筆頭株主としての地位の強化と、ダブルRの安定した長期的な少数株主として同氏のモンクレールの今後のビジョンと成長を支えるとしている。
モンクレールは52年にフランスで創業。傘下「ストーンアイランド」を合わせた23年度売上高は前年比17%増の約30億ユーロ。ラグジュアリー市場が成長鈍化する中で、堅調に推移している。
4年前には仏ケリングによる同社の買収が噂が報じられていた。