ルミネ池袋 開業10周年で「新たな買い物体験」企画

2021/04/15 06:29 更新


展示物は館内19ヵ所に配置、QRコードを読み取ると、ゆりやんレトリィバァさんの音声ガイダンスが聴ける

 ルミネ池袋は20年4月の開業10周年企画として、ファッションの歴史や商品の制作過程などを音声コンテンツで体験できるキャンペーンを実施している。音声ガイドに人気芸人のゆりやんレトリィバァさんを起用、館内19カ所に配置した展示物のQRコードをスマートフォンで読み取ると、ゆりやんさんによる展示物に関する解説などが聞ける。「コロナ下ならではの新たな買い物体験を提案する」(藤井久美子池袋店営業部販売促進グループリーダー・フロアマスター担当)施策として、企画した。3月15日に開始、「ショップでお客との会話のきっかけになっている」など成果を上げている。

 衣料品・雑貨店29ショップが参加し、地下1階と地上1~3階、5~8階の共用部と店頭に展示物を設置。4月21日まで実施する。「ビームス」は春夏物の一部を掲示、それぞれの服ができるまでの過程が音声で聞ける。ショップのほか、ルミネとして編集した展示物もある。3階では「ネットで好きなブランドを検索する傾向が強い中で、リアルな場としてあえてブランドではなく、アイテムを打ち出す」施策として、複数のブランドの白の商品をブラウスを中心に展示。7階では「服を長く大事に着たいというお客のニーズが高まっている」ことから、服の洗濯表示を掲示し、それぞれの表示の解説が聞けるようにした。ビームス、「靴下屋」「ウンナナクール」ではショップスタッフとゆりやんさんとの商品の制作過程などに関するやり取りも流している。

 10周年企画は「お客との新しい関係性を作る」コンセプトで開始。昨年9月~11月にはショップスタッフの接客のエピソードをもとにしたメッセージを館内ポスターやポストカードで発信した。周年企画の最後となる今回は「コロナ下でショップスタッフが接客の仕方で苦労している中で、モノにフォーカスし、リアルだからこその価値をお客に伝え、服をもっと好きになってもらうきっかけを作る」狙いで企画した。「音声ガイドを聞きながら、館内を回遊するお客もいる。普段の接客ではあまり機会がない服の歴史についての会話ができたというショップもある」と手応えを示す。

 21年3月期の全館売上高は緊急事態宣言に伴う臨時休館を終え、全館営業を再開した昨年6月3日からの累計で前期比24.3%減。ただし、「2月下旬から回復基調。4月も順調」(三浦哲裕常務池袋店長)という。周年企画で弾みを付ける。今後は「コロナで顕著になったお客の買い方やニーズの変化をショップと共有し、それぞれの特性に合わせたMDと接客を強める」方針だ。



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