韓国のロッテ百貨店(チョン・ジュノ代表)が中長期の成長戦略として「未来型ショッピングモール事業」を本格化する。30年までに国内外のショッピングモール事業に約7兆ウォン(1ウォン=約0.11円)を投資する。
韓国国内では「ロッテワールドモール」、国外ではベトナムの「ロッテモールウェストレイクハノイ」がショッピングモール事業のモデルとなった。 14年にオープンしたワールドモールは、21年から本格的に運営を開始した後、Kファッション、グローバルファッションブランドなどを誘致して人気を高め、毎年25%の成長を重ねて年間5500万人が訪れる場所になっている。
また先月、累計1000万人が来場したベトナムのロッテモールウェストレイクハノイは、開業4カ月で売り上げが1000億ウォンを突破、今年末には3000億ウォン達成が見込まれる。
ショッピングモールは今後、韓国国内の小売業の主軸になると見込まれる。特に25~35歳の若い世代の嗜好(しこう)に合った体験型店舗、大型イベントなどを開催しており、柔軟な変化と試みが可能な商業施設であることが理由だ。ロッテ百貨店の予想では、30年まで韓国国内の百貨店は毎年2%の成長にとどまる一方で、ショッピングモールは年17%の高い成長を見込めるとしている。
そのため、ロッテ百貨店はショッピングモールの成長性をチャンスとみて、事業戦略を策定した。約10年前から百貨店、アウトレット事業のために確保してきた仁川・松島、大邱・寿城など九つの大規模な用地をショッピングモール事業用地に転換し、ロッテグループの系列会社(ホテル、建設など)と連携してショッピングモール事業の基礎を固めた。
未来型ショッピングモール戦略の中核となるのが「タイムビラス」業態。特に「タイムビラス水原」は今後本格化する未来型ショッピングモールのプロトタイプだ。10月24日にグランドオープンしたタイムビラス水原は、既存面積の約70%を改装したロッテ百貨店史上最大規模のリニューアルプロジェクトの一つ。
今年5月にタイムビラス水原に業態転換後、多くの新規顧客を獲得し、水原以外の地域からの顧客の売り上げも20%以上伸びた。優良顧客の1人当たりの売り上げも最大90%近く増えた。
ロッテ百貨店はタイムビラス1号店の成功を踏まえ、タイムビラスを韓国全域に拡大する。30年までに松島、寿城、上岩、全州に四つの新規ショッピングモールを建設し、群山、東釜山、金海など既存の7店は増築またはリニューアルしてショッピングモールに転換する。
国外ではロッテモールウェストレイクハノイの成功例をもとに、新規出店など多角的にショッピングモール事業を推進する計画だ。
また、ロッテグループの事業資産を活用し、ショッピング、エンターテインメント、オフィス、ホテル、住宅、カルチャー、アートコンテンツなどを組み合わせて、複合施設として開発する。
ロッテ百貨店は30年までに国内ショッピングモールの数を13に増やし、これを通じて売上高6兆6000億ウォン達成という事業ビジョンを立てた。ロッテ百貨店のショッピングモールの売上高構成比を現在の1%から最大30%まで引き上げ、国内ショッピングモール市場で半分以上のシェアを獲得することを目指す。
(韓国・TENANT NEWS)
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