物流会社が英・ブランドと制服 おしゃれ化で意欲向上

2017/11/09 04:30 更新


オリジナルワークウェア

 物流のロジクエスト(東京)が英国ブランド「ユニバーサルワークス」(UW)と協業し、オリジナルワークウェアを作った。首都圏を担当する約500人の全配達員が13日から着用する。「物流業界の人手不足は深刻。働く人々の戦闘服であるユニフォームをファッションと捉えて製作し、着用してもらって配達員の働く意欲を高めたい。広告宣伝の仕方としても効果的」という。供給体制など準備が整い次第、全国に広げる。

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 同社は定期配送事業、スポット配送事業、国際輸送事業を行い、バイク便、自転車便、軽貨物便、ハンドキャリー便を駆使したきめ細かい対応で都市物流を担う。全国に4500人の配達員がおり、うち500人を首都圏に配置。これまでは配達員一人ひとりが思い思いの服装だった。そのスタイルをオリジナルワークウェアに統一する。

 単に統一するだけではなく、「配送業のワークスタイルに合った機能と、タウンユースとしても違和感のないファッション性を兼ね備えたウェア」にこだわった。このため、ワークウェアを熟知し、交友関係もあるUWのデザイナー、デイビッド・キート氏に企画を直接依頼した。

 キート氏は「ポール・スミス」や「マーガレット・ハウエル」など著名ブランドの企画、生産、マーケティングに携わり、09年にUWを始めた。欧米のワーク、ミリタリー、アウトドアウェアの要素をミックスしたウェアをデザインしている。

 オリジナルワークウェアは、ブランドの代表的なアイテムであるベーカーズジャケットをはじめ、防水透湿のシェルジャケット、シャツ、Tシャツ、パンツなどを揃えた。キャップ、ニットネクタイ、キャンバスシューズ主力の「ノヴェスタ」などグッズも充実した。

 ロジクエストは、「ウェアには『あなた(配達員)たちの仕事はとても大切だ』という気持ちを込めた。かっこいい服を着て仕事をすれば気分は高揚する」と強調する。その目的に共感したキート氏は、UWのコレクション製作と同じスタンスで臨んだ。小売価格にするとシェルジャケットを含めて全身で15万円相当だが、「ユニフォームの着用で働くモチベーションが上がり、企業の広告宣伝として考えても高くない」という。

 10日、キート氏が来日し、オリジナルワークウェアの発表会を開く。あわせてUWの来春夏コレクションも発表する。


動きやすさなど実用的な機能性とファッション性を備えたウェア


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