ロンドン・ファッションウィーク・セプテンバー2024 ヒストリカルな要素が復活

2024/09/19 06:29 更新有料会員限定


 【ロンドン=青木規子】25年春夏コレクションが揃うロンドン・ファッションウィーク・セプテンバー2024は、ヒストリカルなドレスの要素をスタンダードな服に落とし込む手法が目立っている。バロック調のフリル袖や腰の膨らみ、袖口を飾るレースのフリル。これらを白シャツやデニムのセットアップなどに取り入れて、現代のファッションに落とし込んでいる。花やビジューの飾りもクラシックエレガンスを表現する欠かせない要素の一つ。ジャカードやゴブラン織りも増えている。

(写真=バーバリーは大原広和)

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 シモーン・ロシャはフェデリコ・フェリーニ監督の映画『道』の曲とともに、ドラマチックなムードでショーをスタートした。出てきたのはバレリーナを連想させるピンクベースのロマンティックなスタイル。ソフトチュールを重ねたチュチュとバレエシューズの組み合わせがスタイルの中心にある。ロング丈のテーラードジャケットは、パネル状に垂れ下がる裾の合間からチュチュがのぞく。バッグは総フリル、メンズもコンパクトなフリルがアクセントになっている。そのチュチュの丸いフォルムは、視点を変えるとカーネーションのよう。デザイナーは「フォーマルな場で男性がジャケットに飾る甘い香りの花」というイメージに触発されたという。

シモーン・ロシャ

 チュールドレスの胸元にはカーネーションが茎ごとパッケージされている。妖精のようなはかなさと愛らしさとは対極にある黒のアイテムが小悪魔的な毒気をプラスする。黒いジャケットや透けるトランペットドレスに、黒いラインのキャットアイメイク。ビジューの髪飾りやロングイヤリングも相まってフォーマルなイメージも感じられる。

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