興和はミノムシが吐く糸を利用したミノムシ繊維を製品化し、「MINOLON」(ミノロン)ブランドを立ち上げた。クモ糸を上回る破断強度やタフネスを生かし、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)向けの繊維シートを販売し、スポーツ用品で採用を予定している。
同社によると、ミノムシ繊維の製品化は「世界初」。18年に農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)との共同研究でミノムシ繊維の有用性を発見し、事業化を検討してきた。人工飼料を用いて室内飼育し、従来の1年がかりから半分程度の飼育期間で効率的に飼育する方法を確立した。
ミノロンシートは現状で年1000平方メートル程度の供給が可能で、協業先や用途を探る。さらに効率的な生産・飼育技術を検討し、数百億円・数㌧規模での設備投資を視野に入れる。