染色加工の京都紋付(京都市、荒川徹社長)は9月6日、一般社団法人REWEAR(リーウェア、木村照夫代表理事)の設立記念として、京都・二条城で展示会、京都ブライトンホテルでレセプションパーティーを開いた。
リーウェアは、「大切な服をより長く着られるようにすることで、サステイナブル(持続可能)な社会を実現する」という考えのもと、8月に設立された。お直しの文化と伝統技術を活用し、廃棄される物に新たな価値を与えることで、廃棄衣料の削減と新たなアップサイクルの文化を広めることを目的とする。代表理事は京都工芸繊維大学名誉教授の木村氏、理事は荒川社長らが務める。
展示会とパーティーは京都紋付が主催、リーウェアが共催の形で実施した。二条城・香雲亭での展示会は、京都紋付が黒に染め直した服をはじめ、黒染め技術と再生ポリエステル繊維や縫製のし直し(リメイク)を組み合わせたアップサイクル製品を複数展示した。
パーティーには、日本アパレル・ファッション産業協会理事長の松尾憲久マツオインターナショナル社長が主賓で参加するなど、約120人が集まった。
京都紋付は、黒紋付を染め続ける一方、13年からその技術を生かし、着られなくなった大切な洋服を黒に染め直すリウェアプロジェクトを、ウェブを通じて消費者向けに開始。20年9月から同プロジェクトを「K」にリニューアルし、ファッション小売業などと協力しやすいプラットフォームを整備して、セレクトショップや古着店、クリーニング店などの代理店パートナーも増やし、染め直し受注を伸ばし続けている。
リーウェアを通じ、伝統産業の技術で、国内外の団体・企業とアップサイクルの取り組みを広げ、伝統産業の継承を目指していく。