吉祥寺パルコ 地元サービス機能を強化

2017/08/23 04:24 更新


 吉祥寺パルコ(地下2階~地上8階)は地域住民に向けて「暮らしを豊かにするモノとコトを提案する」(緒方道則店長)改装の一環として、東京スター銀行ファイナンシャル・ラウンジを21日に地下1階に導入した。ATM(現金自動預け払い機)を除き、パルコが銀行をテナントとして導入したのは初めて。館として地域住民向けのサービス機能を高めるとともに、比較的高所得な客層を取り込み、隣接区画にある高額商品中心の家具・インテリア店「リアル・スタイル・ホーム」などとの相乗効果を狙う。

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 東京スター銀行の店舗面積は約148平方メートル。吉祥寺パルコの近隣にあった店舗を移転、個人客の資産運用などの相談業務に特化した業態に変え、店装も刷新した。東京スター銀行は「銀行の新しい戦略を実践する1号店」(佐藤誠治代表執行役頭取)と位置付ける。店装はパルコの子会社、パルコ・スペース・システムズが担当、ブラウンを基調にした落ち着いた雰囲気にした。

 吉祥寺パルコは「比較的高所得で、高感度な地元客のライフスタイルに対応する」(緒方店長)狙いで、昨秋に地上2階に「カバン・ド・ズッカ」(レディス・メンズ)、「ミー・イッセイミヤケ」(レディス)、「ワイズ」(同)を導入。今春は2月にカフェ併設のアニメ・コミック・キャラクターグッズ店「アニメイト」を7階に入れるなどして上層階での若い層へのコト提案を強化。併せて、食品スーパーがあった地下1階の大型区画を改装し、3~5月にリアル・スタイル・ホーム、「クラッシュ・ゲート」などを導入、インテリア・生活雑貨店を拡充した。東京スター銀行の導入はライフスタイル提案強化策の一環。リアル・スタイル・ホームに家のリフォーム相談コーナーがあることから、両店で連携した相互送客施策も検討している。

 18年2月期の売り上げは地下1階の大型改装に伴う休業区画が発生した中で、7月までで前年同期比1%増と順調。コスメやカフェのほか、アニメイトが好調で、全体の客数増に寄与した。昨秋に導入したデザイナーファッション3店と地下1階の新店も「顧客が付いてきた」という。秋は1階にコスメ「マック」を導入、同分野を強化する。

家のリフォーム相談コーナーもある東京スター銀行ファイナンシャル・ラウンジ





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